名古屋地方裁判所 昭和53年(わ)14号 判決
判決主文
被告人を懲役八月及び罰金八五〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から二年間右懲役刑の執行や猶与する。
(罪となるべき事実の要旨)
被告人は、愛知県東海市養父町漁脇一七番地に居住し同市養父町北反田二三番地など三か所においてユタカ楽器の名称で楽器販売業を営んでいた石浜宗夫の妻であり、同楽器店の専従者として経理事務全般を掌理統括していた者であるが、右石浜宗夫の所得税を免れようと企て、同人の業務に関し、
第一、右石浜宗夫の昭和四九年分の実際所得金額は、四九、五六一、四六五円で、これに対する所得税額が二四、八一五、三〇〇円であったのにかかわらず、売上の一部を除外して架空名義預金を設定し、割引債券を購入する等の方法により所得の一部を秘匿したうえ、昭和五〇年三月一五日、愛知県半田市宮路町五〇番地所在半田税務署において、同税務署長に対し、事業所得及び不動産所得についてみなし法人課税方式を選択したうえ、総所得金額が六、七二六、一四〇円であり、これに対する所得税額が二、〇一七、三七二円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって右不正の行為により正規の所得税額と右申告税額との差額二二、七九七、九〇〇円を免れ、
第二、右石浜宗夫の昭和五〇年分の実際所得金額は五一、七一八、四二二円で、これに対する所得税額が二五、六六六、二〇〇円であったのにかかわらず、前記同様の方法で所得の一部を秘匿したうえ、昭和五一年三月一五日、前記半田税務署において、同税務署長に対し、前同様にみなし法人課税方式を選択したうえ、総所得金額が一二、三一七、五二〇円であり、これに対する所得税額が四、一五〇、六〇二円である旨の虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって右不正の行為により正規の所得税額と右申告税額との差額二一、五一五、五〇〇円を免れ、
たものである。
(適用した罰条)
所得税法二三八条一項、二項、二四四条一項。刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条二項、一八条、二五条一項
昭和五三年七月八日
裁判所書記官 渡辺豊
(裁判官 平野清)